交通事故で手指を骨折した場合、治療が終わった後も指が曲がりにくくなったり、痛みが残ったりすることがあります。
このように後遺症が残った場合には、「後遺障害」として認定されることで、次のような後遺症慰謝料を受けとれる可能性があります(弁護士の基準)。
- 後遺障害4級:1670万円
- 後遺障害7級:1000万円
- 後遺障害8級:830万円
- 後遺障害9級:690万円
- 後遺障害10級:550万円
- 後遺障害12級:290万円
- 後遺障害13級:180万円
- 後遺障害14級:110万円
ただ、これはあくまでも目安の金額であって必ずこの金額が受けとれるわけではありません。適切な慰謝料を受けとるためには、被害者自身が後遺障害の認定基準や慰謝料の相場についてきちんと理解していることが必要となります。
この記事では、次のことについて弁護士がくわしく解説します。
- 手指の骨折による後遺障害の種類
- 手指の骨折で認定される可能性のある後遺障害等級
- 手指の骨折が後遺障害として認定されるために必要な検査
- 手指の骨折による後遺障害で請求できる慰謝料の相場
- 示談交渉などを弁護士に依頼するメリット
手指の骨折による後遺障害の種類
手指の骨折による後遺障害には、主に次の2つの種類があります
【手指の骨折による後遺障害の種類】
• 機能障害:関節を動かすことができる範囲(「可動域」といいます)が狭くなること
• 神経障害:神経が圧迫されるなどにより、痛みやしびれなどが残ること
手指の後遺障害は、手の骨・関節の部位に着目して症状が判断されます。そこでまず、手の骨と関節の構造について見てみましょう。
【手の骨と関節】
- 末節骨(紫色):指の最も先端部分の骨です。
- 中節骨(黄色):指の真ん中の部分の骨です。親指にはありません。
- 基節骨(緑色):指の根元の骨です。
- 中手骨(青色):手の甲にある骨です。
- DIP関節(遠位指節間関節):指の先端から数えて最初の関節です。親指にはありません。
- PIP関節(近位指節間関節):指の先端から数えて2番目の関節です。親指にはありません。
- IP関節(指節間関節):親指の先端から数えて最初の関節です。
- MP関節(中手指節関節):指の根元部分の関節です。
- CM関節(手根中手関節):手の甲の根元部分の関節です。
手指の骨折による後遺症が「後遺障害」として認定されるケースとは
手指の後遺症について後遺症慰謝料を受けとるためには、手指の後遺症が「後遺障害」として認定されることが必要です。
「後遺障害」には、症状の内容や軽重によって、1~14級の等級(後遺障害等級)が割り振られており、後遺障害等級が認定されると「後遺障害」として認定されたということになります。
ここでは、手指の骨折で認定される可能性のある後遺障害について、機能障害と神経障害に分けて見ていきましょう。
(1)機能障害(手指が動かしづらくなる場合)
手指の骨折で手指が動かしづらくなるなどの後遺症が残った場合に認定される可能性がある後遺障害等級は、次のとおりです。
等級 | 認定基準 |
---|---|
4級6号 | 両手の手指の全部の用を廃したもの |
両手の手指全てにつき「手指の用を廃した」といえる場合を言います。 そして、「手指の用を廃した」とは、次のいずれかに当てはまる場合を言います。 ア 手指の末節骨の長さの2分の1以上を失ったもの イ 中手指節関節(MP関節)もしくは近位指節間関節(PIP関節)(親指の場合は指節間関節(IP関節))の可動域が腱側(=健常な手指)の可動域角度の2分の1以下に制限されるもの ウ 親指については、橈側外転又は掌側外転のいずれかが健側の2分の1以下に制限されている状態 エ 手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚(=体の内部で感じる感覚)及び表在感覚(=皮膚の表面で感じる感覚)が完全に脱失した状態 | |
7級7号 | 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの |
片方の手の5本の指全て、もしくは、親指を含む4本の指が「手指の用を廃した」といえる場合を言います。 | |
8級4号 | 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの |
片方の手の親指を含む3本の指、もしくは、親指以外の4本の指が「手指の用を廃した」といえる場合を言います。 | |
9級13号 | 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの |
片方の手の親指を含む2本の指、もしくは、親指以外の3本の指が「手指の用を廃した」といえる場合を言います。 | |
10級7号 | 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの |
片方の手の親指、もしくは、親指以外の2本の指が「手指の用を廃した」といえる場合を言います。 | |
12級10号 | 1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの |
片方の手の人差し指、中指、もしくは薬指のどれか1本の指が「手指の用を廃した」といえる場合を言います。 | |
13級6号 | 1手のこ指の用を廃したもの |
片方の手の小指が「手指の用を廃した」といえる場合を言います | |
14級7号 | 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの |
片方の手の親指以外の指につき「遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの」といえる場合を言います。 そして、「遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの」とは、次のいずれかかに当てはまる場合を言います。 ア 遠位指節間関節(=DIP関節。指の先端から数えて最初の関節)が強直(=関節が癒着し、動かない)したもの イ 屈伸筋の損傷等原因が明らかなものであって、自動で屈伸ができないもの又はこれに近い状態にあるもの |
参考:労災サポートセンター「労災補償障害認定必携」(第17版)255頁、256頁
(2)神経障害(手指に痛みが生じる場合)
手指の骨折で痛みが生じるなどの後遺症が残った場合に認定される可能性のある後遺障害等級は、次のとおりです。
等級 | 認定基準 |
---|---|
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
「局部に神経症状を残すもの」とは、レントゲンなどの画像所見で痛みやしびれの原因について説明できないが、交通事故の態様や、治療過程、症状の一貫性などから、交通事故で痛みやしびれが生じていることが医学的に一応の説明できることをいいます。 |
なお、手指が欠損した場合(切断などで失われた場合)には、手指の機能障害による後遺障害ではなく、手指の欠損傷害として後遺障害等級が認定されます。
手指の欠損による後遺障害等級は、その程度により3~14級に認定される可能性があります。
手指の骨折が後遺障害として認定されるために必要な検査とは
手指の骨折による後遺症で「後遺障害」が認定されるためには、まずMRIやレントゲン、CTなどの画像診断で骨折が認められることが必要です。
そして、手指の骨折で手指が動かしづらくなるといった「機能障害」が後遺症として残った場合には、手指がどれくらい動かしづらくなっているのかを測定する必要があります。
関節可動域の測定は、1995年に日本整形外科学会及び日本リハビリテーション医学会が定めた「関節可動域表示ならびに測定方法」(2022年4月改定)に従って行います。
手指の関節の機能障害の検査は、関節の可動域を測定し、健側(=正常な側)の可動域または参考可動域の角度と比較することによって評価します。左右ともに障害がある場合などは、「関節可動域表示ならびに測定方法」に定めのある参考可動域との比較で判断されます。
測定は、原則として他動運動(医者や理学療養士など他人に関節を動かしてもらうこと)により行いますが、他動運動による測定が適切でない場合には、自動運動(自分で関節を動かすこと)により測定して値を出すことになります。
具体的には、関節角度計を用いて、関節の運動範囲を5%刻みで測定します。
なお、検査は、親指とそれ以外の指で異なります。
(1)親指の可動域制限の測定方法
親指関節の可動域については、角度計を用いて橈側外転、掌側外転、屈曲・伸展(合計値)の角度を計測します。
そして、比較する参考角度は次のとおりです。
【親指関節の参考可動域角度】
運動方向 | 橈側外転 | 掌側外転 | 屈曲(MP) | 伸展(MP) | 屈曲(IP) | 伸展(IP) |
参考可動域角度 | 60 | 90 | 60 | 10 | 80 | 10 |
※MP……中手指節関節(指の根元部分の関節) IP……指節間関節(親指の先端から数えて最初の関節)
(2)親指以外の指の場合
親指以外の指の関節の可動域については、角度計を用いて屈曲・伸展(合計値の角度を計測します。外転・内転の角度を測ることもあります。
そして、比較する参考角度は次のとおりです。
【親指以外の指関節の参考可動域角度】
運動方向 | 屈曲(MCP) | 伸展(MCP) | 屈曲(PIP) | 伸展(PIP) | 屈曲(DIP) | 伸展(DIP) |
参考可動域角度 | 90 | 45 | 100 | 0 | 80 | 0 |
※MCP……中手指節関節(指の根元部分の関節) PIP……近位指節間関節(指の先端から数えて2番目の関節) IP……指節間関節(親指の先端から数えて最初の関節) DIP…遠位指節間関節(指の先端から数えて最初の関節)
参考:関節可動域 / ROM(かんせつかどういき)|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参考:関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領|厚生労働省
参考:関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領 (7)各論|厚生労働省
参考: 関節可動域表示ならびに測定法改訂に関する告知(2022年4月改訂) | 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会 (jarm.or.jp)
(3)深部感覚・表在感覚について
手指の末節の指腹部および側部の深部感覚・表在感覚については、当該部分の感覚神経が断裂し得るような外傷を負ったことを確認するとともに、筋電計を用いた感覚神経伝導速度検査を行い、感覚神経活動電位(SNAP)が検出されないことを確認することにより認定します。
手指の骨折で後遺症が残った場合に受けとれる可能性がある後遺症慰謝料の相場とは
後遺症が残った場合、後遺症が残ったことにより受けた精神的ショックを償うために「後遺症慰謝料」が支払われることになります。
加害者側の保険会社が付いている場合には、後遺症慰謝料は示談金として保険会社から提示を受けることになります。そして、大手保険会社から提示される金額であれば、適正な慰謝料の金額となっているだろうと思われているかもしれません。
しかし、 実は、大手保険会社から提示された金額であっても適正な慰謝料の金額となっていないことが多くあります。
それは、慰謝料の金額には、実は3つの基準があり、保険会社が使っている基準は適正な慰謝料額にならない基準であることが多いからです。
適正な慰謝料を受けとるためには、慰謝料の3つの基準について知り、慰謝料の相場について知っておきましょう。
(1)慰謝料の3つの基準
慰謝料の3つの基準とは、「自賠責の基準」「任意保険の基準」「弁護士の基準」です。くわしくは、次のとおりです。
算定基準 | 概要 |
---|---|
自賠責の基準 | 自賠責の基準は、自動車保有者が加入を義務付けられている「自賠責保険」で採用されている基準です。 自賠責の基準は被害者への最低限の補償を目的として設けられているので、慰謝料の基準額は基本的に3つの算定基準のうち最も低くなります。 ただし、自賠責保険金額は、交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、被害者側の過失が大きい場合には、自賠責の基準がもっとも高額となることもあります。 |
任意保険の基準 | 任意保険の基準は、各保険会社が独自に設定している非公開の算定基準です。加害者側の任意保険会社は、通常は任意保険の基準をもとにして慰謝料を提示してきます。 基準額は、自賠責の基準と同程度か、やや高い程度であると推測されます。 |
弁護士の基準 | 弁護士の基準は、過去の裁判例をもとに設定された基準です。弁護士に示談交渉を依頼した場合などに使われる算定基準です。 弁護士の基準による慰謝料金額(目安)は3つの算定基準のうちでは基本的に最も高額となります。 |
3つの基準の慰謝料の金額を比較すると、一般的に、次のようになります。
この図のように、基本的に、自賠責の基準よりも弁護士の基準の方が高額となります。
(2)手指の骨折で後遺症が残った場合の後遺症慰謝料の相場
手指の骨折による後遺障害が認定された場合の後遺症慰謝料(相場)を、自賠責基準と弁護士基準で比べると、下の表のようになります(任意保険の基準は非公表のため掲載しておりません)。
等級 | 自賠責の基準(※) | 弁護士の基準 |
---|---|---|
4級6号 | 737万円 | 1670万円 |
7級7号 | 419万円 | 1000万円 |
8級4号 | 331万円 | 830万円 |
9級13号 | 249万円 | 690万円 |
10級7号 | 190万円 | 550万円 |
12級10号・13号 | 94万円 | 290万円 |
13級6号 | 57万円 | 180万円 |
14級7号・9号 | 32万円 | 110万円 |
※自賠責の基準は、2020年4月1日に改定されており、2020年4月1日以降に発生した事故に適用されます。
保険会社が使う「自賠責の基準」や「任意保険の基準」よりも「弁護士の基準」の方が高額となりやすい傾向にあります。そのため、適正な慰謝料を請求するためには、「弁護士の基準」を使うことが必要となるのです。
ただ、ここで知ってほしいことは、被害者本人(もしくは被害者側の保険会社が行う示談交渉代行サービス)では、自賠責の基準や任意保険の基準から弁護士の基準に増額を求めてもなかなか応じてくれないということです。
これに対し、 弁護士が被害者本人に代わって示談交渉や裁判を行う場合は、一般に最も高額な弁護士の基準を用いた主張を行います。弁護士は訴訟も辞さない態度で保険会社と交渉するため、保険会社側も弁護士であれば弁護士の基準もしくはそれに近い金額での示談に応じてくれることが多いです。
このように、被害者本人の交渉では弁護士の基準への増額ができない場合でも弁護士であれば弁護士の基準もしくはそれに近い金額での示談が期待でき、慰謝料の増額も期待できます。
また、後遺症が残った場合には「逸失利益(後遺症が残ったことでこれまで通り働けなくなったことに対する補償)」も加害者に対して請求できる可能性があります。
交通事故による手指の骨折で後遺障害認定を受ける3つのポイント
後遺障害認定を受けるためには、交通事故と後遺症の間に因果関係が証明できることと後遺障害診断書に何が書かれているかが大切となります。
そこで、手指の骨折で後遺障害認定を受けるためには、次の3つのポイントを注意するようにしましょう。
【後遺障害認定を受けるためのポイント】
1. 検査は早めに受診し、通院は継続する
2. 医師に自覚症状を細かく伝える
3. 後遺障害診断書の内容をチェックする
(1)検査を早めに受診し、通院は継続する
後遺障害の原因が交通事故にあると証明するためには、事故後すぐに検査を受け、通院を継続する必要があります。
交通事故から検査までに期間があいたり、通院期間があいたりしてしまうと、後遺症が本当に交通事故を原因で生じたものなのか因果関係を疑われてしまうことがあります。
特に、痛みやしびれについては、手指の骨折以外の原因でも生じる可能性があるため、手指の骨折によるものなのかを疑われてしまうことがあります。
交通事故後すみやかに、検査を受け、通院も継続するようにしましょう。
後遺障害の認定のために必要な検査についてくわしく知りたい方はこちらをご覧ください。
(2)医師に自覚症状を細かく伝える
医師に自覚症状を細かく伝えることがおすすめです。なぜなら、後遺障害等級の認定のためには、どのような自覚症状があるのかがとても大切だからです。
例えば、ただ「痛い」や「しびれがある」というだけでなく、「いつから、どのように、どのあたりが痛む(しびれている)のか」など、より具体的に症状を伝えるようにしましょう。
特に、神経症状(痛みやしびれなど)については外から見てもどのような症状であるかがわかりません。どのような痛みかが一番わかるのはあなたです。細かく伝え、医師の診断書に書いてもらうことで、後遺障害等級の認定の際にも、あなたがどのような痛みをかかえているのかをわかってもらうことができます。
(3)後遺障害診断書の内容をチェックする
後遺障害等級の認定のためには後遺障害診断書を正しく書いてもらうことが大切です。
後遺障害等級の認定は、医師が作成する「後遺障害診断書」を中心に判断されます。
ただ、医師であっても後遺障害等級の認定のための治療経験が豊富なわけではありません。そのため、医師が作成した後遺障害診断書の記載では、後遺障害等級の認定をするには足らずに後遺障害等級が認定されないということもあります。
特に、他覚所見や自覚症状の欄がしっかり記載されているか、よく確認してみましょう。
後遺障害診断書に、後遺障害等級の認定のために十分な記載がなされているかチェックすることが大切です。ご自身でのチェックに不安がある場合は、弁護士に依頼するとより安心です。
【後遺障害診断書】
手指の骨折の慰謝料請求を弁護士に依頼する2つのメリット
ここでは、手指の骨折の慰謝料請求について、弁護士に依頼するメリットをご紹介します。
弁護士に依頼することで、最終的に受けとれる慰謝料の増額も期待できるほか、次の2つのメリットを受けることができます。
【弁護士に依頼する2つのメリット】
1. 弁護士は、後遺障害が認定されやすくするためのコツを知っている
2. 弁護士特約を利用すれば、弁護士費用の心配がなくなる可能性がある
(1)弁護士は、後遺障害が認定されやすくなるコツを知っている
後遺症があれば、必ず「後遺障害」として認定されるわけではありません。
後遺障害として認定されるかどうかは、認定されやすくするためのコツを知っているかどうかによって左右されてしまうことがあります。
しかし、後遺障害認定をこれまで何度も行ってことがあるという人はそうそういません。そのため、ほとんどの多くの人が後遺障害認定されやすくするためのコツを知りません。
しかし、これまで交通事故案件を担当してきた弁護士は、これまでの経験を踏まえて、後遺障害の認定率を高める後遺障害診断書の作成方法や、資料収集のコツを知っています。
弁護士に依頼することで、適正な等級認定がなされるよう、後遺障害診断書に何を書いてもらうべきかアドバイスを受けることができます。さらに、後遺障害認定を受けるために必要な検査や資料などのアドバイスも受けられます。
このように、後遺障害認定の手続きを被害者本人でするよりも、弁護士に依頼するほうが認定される確率は高まります。
(2)弁護士費用特約を利用すれば、弁護士費用の心配がなくなる可能性がある
慰謝料請求や後遺障害認定手続を弁護士に依頼するとなると、弁護士費用を心配されているかもしれません。
しかし、弁護士費用特約を利用できれば、弁護士費用の心配がなくなるかもしれません。
「弁護士費用特約」とは、弁護士への相談・依頼の費用を一定限度額まで保険会社が補償する仕組みで、自動車保険や火災保険などの保険のオプションとして設けられています(※)。
この弁護士費用特約を利用すると、実質的に無料で弁護士に相談・依頼できる可能性があります。
※ 保険会社が負担する金額には上限があります(一般的に、弁護士費用は上限額300万円、法律相談費用は上限額10万円程度)。しかし、通常の案件で弁護士費用が上限額を超えることはありません。
また、弁護士費用特約は被害者が加入する保険についていない場合でも、被害者の家族が加入する保険についていれば利用できる可能性があります。弁護士費用特約が利用できるか一度確認してみてください。
【まとめ】手指の骨折で後遺症が残った場合、110~1670万円の慰謝料を受けとれる可能性あり
今回の記事のまとめは、次のとおりです。
- 手指を骨折し、後遺症が残った場合に認定される可能性のある後遺障害等級
・ 機能障害(手指が動かしづらくなる場合):4級・7級・8級・9級・10級・12級・13級・14級
・ 神経障害(手指に痛みが生じる場合):12級・14級
- 手指を骨折し、後遺症が残った場合の慰謝料の相場(弁護士の基準)
・ 4級:1670万円(自賠責の基準では737万円)
・ 7級:1000万円(自賠責の基準では419万円)
・ 8級:830万円(自賠責の基準では331万円)
・ 9級:690万円(自賠責の基準では249万円)
・ 10級:550万円(自賠責の基準では190万円)
・ 12級:290万円(自賠責の基準では94万円)
・ 13級:180万円(自賠責の基準では57万円)
・ 14級:110万円(自賠責の基準では32万円)
- 交通事故による手指の骨折で後遺障害認定を受ける3つのポイント
1. 検査は早めに受診し、通院は継続する
2. 医師に自覚症状を細かく伝える
3. 後遺障害診断書の内容をチェックする
交通事故の賠償金を請求される方がよくされる質問についてこちらにまとめておりますので、こちらをご覧ください。
後遺症があれば、後遺障害等級の認定はされるだろうと考えているかもしれません。
しかし、後遺症があっても後遺障害等級が認定されないことがあります。それは、検査が足らないことや書類の記載が足らないことなどが理由となっています。
一度判断された認定を覆すことはとても難しいのが実情です。後遺障害等級の認定申請を行う前に一度アディーレ法律事務所へ相談・依頼されることをおすすめします。
弁護士は敷居が高く,相談するのは気後れすると感じられている方も多いのではないでしょうか。私もそのようなイメージを抱いていました。しかし,そのようなことはありません。弁護士は皆,困った方々の手助けをしたいと考えております。弁護士に相談することが紛争解決のための第一歩です。ぜひ気軽に弁護士に相談してみてください。私も弁護士として皆さまのお悩みの解決のために全力を尽くします。